漫画のスキマ レポート1

 第1章、マンガとストーリーの複雑な関係(Lesson01~04)で拾ったことは2つです。

sukimazu01 まず1つはネームのきり方。ネームとは漫画の下書きの前に描く設計図のようなものです。

 基本は3~4コマの演出。大まかなストーリーが決まったら、場面場面のシーンを絵付きの3~4コマで描き出します。5コマ以上は、1ページ5~6コマで考えているなら、縮めるかコマを増やして2つに分けるかします。その3~4コマのブロックを各ページに埋め込んで、タチ切りや視線誘導、話のメリハリを考えて、絵の構図やコマの組み換えなどして調節していく流れです。

 ネームでやってはいけないのが、ストーリーから文章でコマ割りすること。例えば「金髪の美少女登場」「一万隻の大艦隊」どちらも白黒漫画では描けません。描くにしても自分にその技術があるか?というのもあるのでネーム段階で具体的に絵を想い浮かべるのが良いでしょう。あとイラスト絵、後で説明される視線誘導でいうところの、目を止めてじっくり見てしまうコマ。漫画は視線を流さないといけませんので、安定した構図のイラスト絵は決めゴマか、区切りのコマなどになります。

sukimazu02 もう1つは漫画の始まり、導入です。大長編漫画、短編読み切りはもちろん、連載漫画なら毎号、導入があるようなものです。そしてこの導入というか「つかみ」を失敗するとその後のページは読んでもらえません。導入のパターンについては「漫画のスキマ」に出ていたものを自分なりに整理しました。

 あと、蛇足ですが、「物語」といっても、延々とつづく歴史や時の流れの中で、ある時代や人(キャラ)にスポットをあてて抜き出しているだけで、その前も、その後もある。SFやファンタジーにしても空想というだけで、その世界や人にも前後があってしかるべき。ならば「物語」は全て途中から始まるのであって、どう始めるかは「物語」をどう展開していくのかで、作者が決めるべきこと。というのは面白かった。

漫画のスキマ漫画のスキマ~マンガのツボがここにある!
菅野 博之(著)
季刊コミッカーズの連載コラム「漫画のスキマ」をまとめたもの。コマ割り等の漫画の見せ方を解説したテクニック中心の本。


「漫画のスキマ レポート1」への4件のフィードバック

  1.  漫画製作に対する基本思想は人それぞれ、スー様やカヲル様は「まずは世界観設定から」というタイプでした。さなだむし様も多分基本的にこのタイプでしょう。一方、ワグ様は「まずはキャラクターから」という思想ですし、オカ様の場合は「まずはメカから」という感じでした。また、同じ「世界観重視タイプ」でも、スー様がアクションと視覚的演出を重視するのに対し、カヲル様はドラマ性とメッセージ性重視でした。ちなみに私は世界観重視かキャラ重視か、どちらともいえないが、どちらかといえばキャラ重視タイプかなぁ・・・? こうした個人的「漫画哲学」というものは、別にどれが正しくてどれが誤りだとかいう問題ではないと思うのですが、やはり誰もが「自分の考え方が正しい」と思いたがるから、対立になってしまう事もよくあるのは残念な事です。

  2. 自分の考えが正しいと思うのではなく、他人の意見を否定するのが楽しいと感じる人が多い、というだけのことでしょう。

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