本格ネット漫画になるか?

楽天ダウンロードで「サラリーマン金太郎」の新連載-出版社に干されるか実験?(CNET Japanより抜粋)

 楽天はダウンロード販売サービス「楽天ダウンロード」において、漫画「サラリーマン金太郎」(本宮ひろ志)の新連載を13日より一部無料提供すると発表した。

 従来インターネット上の漫画コンテンツは、過去に出版されたものをデジタルデータ化し、二次利用という形式で提供されていた。だが今回のサービスでは、本宮氏が楽天ダウンロードのために書き下ろした「サラリーマン金太郎」の続編を、楽天がネット上で一次利用する形だ。

 これは、本宮氏から楽天 代表取締役会長の三木谷浩史氏に持ちかけた話だという。本宮氏は、「出版業界は流通形式などが完全にできあがっており、技術革新もない世界。つまり、このようなサービスは通常の出版社ではできないことだ。私が出版社から干されてしまう可能性もあるが、漫画がインターネットで求められているものなのかどうか、実験をしたかった」また「紙媒体に新たな連載を書くエネルギーはなかったが、新たな媒体で始めるとなるとエネルギーが沸いてきた」と述べている。

 新連載は、インターネットの特性を活かし、効果音やBGMを盛り込んだものに仕上がっている。あくまでも漫画のため、声優による音声の吹き替えはないが、ドアを開ける音や風の音などが漫画を読む際に聞こえる。漫画のコマに合わせ、ひとコマずつコマ送りをする形式で視聴できる。

 本宮氏に会う以前から「サラリーマン金太郎」を読んでいたという三木谷氏は、利用者数の見込みについて、「30万人から50万人は見込めるのではないか」と述べた。

 ようやく「変化」がはじまるのでしょうか?理想をいえばネットでデビューして成功する漫画家が出てきて欲しいですが、その前段階として既存の漫画家が出版社にケリを入れるのに、この人選はすばらしい。出版社に干されるのも覚悟の上というのも、さすが本宮先生。ぜひ、この企画が成功して、ネット3兄弟がこぞってマンガコンテンツ配信して、既存の漫画家獲得競争や出版社との提携などして、前進させて欲しい。

 でも、BGMや効果音はいいとしても、コマ送りの紙芝居形式の漫画というのはどうだろう?漫画をデジタルにしたとき、出版を目的とした現在の漫画に近いものか、フルカラー・BGM・声優・自動コマ送りなどアニメーションに近いものに分かれるのでしょうが、最初に受け入れられやすいのは前者だと思う。あと、いくら人気漫画といっても、新媒体で1コンテンツで有料化された後に30~50万の利用者数という見通しだとしたら甘いと思うのですが・・・

 さあ、既存の漫画読みは、この事態にどう反応する?


「本格ネット漫画になるか?」への8件のフィードバック

  1.  まず、本宮師匠にとって今更既存出版社に干されかねないという冒険に挑む事は大したリスクではないと思う。あの人は漫画界の巨匠の一人ですから、たとえ今一切の漫画家業から引退したとしても困らないだけの蓄えがあるはずです。
     でもそんな本来冒険の必要が無い巨匠があえて新分野開拓に乗り出してくれる事は、後進の者にはとても心強く、さすがは漢・本宮師匠であります。
     しかし「漫画がネットで求められているものかどうか実験したい」という所において、私的にはその実験結果が信頼性の高いデータとなるかどうかに不安を感じます。ネットでの漫画観賞を求める人がいるとすれば、その多くはいわゆる「オタク系」と推測される。しかし本宮師匠の作風はオタク系に好まれるものではありません。できればもっと多くの色々なタイプの漫画家がこのプランに乗ってきてくれなければ、統計的に信頼できるデータは出てこないのでは? と思うのですが、まあ本宮師匠が動けば追随者も多く出てくるかもしれませんね。
     オタク仕様に特化したものではない、一般向け漫画がネット配信されるようになるとすると、その社会的性質・役割から考えて、ケータイでの配信が主になるのではと、私は勝手に推測します。だとすれば、紙芝居形式になるのはやむを得ないのではないかと思う。
     まあとにかく全ては「やってみなければ分らない」ので、今後の動きに注目しましょう。
     個人的懸念としては、本宮師匠が新チャレンジのパートナーとして、層化学会との関係が噂される楽天・三木谷社長(本人は否定しているが)を選んだ事。近年、芸能界の層化学会勢力侵蝕拡大は著しいという。最悪なら漫画界にも同じ流れができかねない。そこは充分注意が必要でしょうね。
     それにしても、「鋼の錬金術士」が「鋼金(ハガキン)」と略されても、「サラリーマン金太郎」は決して「サラ金」とは略されない。そうはさせない本宮師匠は、やっぱ凄か人です。

     またえらい長文になって申し訳ありません。でも荒らしのつもりは無いのでどうかご勘弁を。

  2. とりあえず、ユーザー登録して読んでみようと思います。
    新しいチャレンジには拍手送りますが、あまり意固地になったりせず自然体で頑張ってほしいものです。
    妙にメディア論とかを論じて欲しくないなあ。
    マンガ家が文化人とか言ってコメンテーターやってるのあんまり好きじゃないし。

    ろりオヤジさん>
    はじめまして!
    俺のまわりじゃみんな「サラ金」って言ってますよ!

  3. ゜Д゜ アイヤー! サラキン・・・。

    失礼しますた。マンガー様、こちらこそよろしくですぅ。

  4. 印刷に頼らないということは、毎回少数ページでフルカラーなのかなぁ。
    何にせよ、読んでみたいです。

  5. >ろりオヤジさん
    ネットでの漫画観賞を求める人がオタク系だけだと先がないので、それ以外の作風で、広く認知されていて落ち目でもない本宮先生が挑戦することが「実験」になるのでしょう。コンテンツの充実をはかるためにも追随してくれる漫画家がでることを願います。

    携帯の方は4コマが主流になるとして動きが始まっています。まあ、ストーリー漫画を4コマに押し込んでまで流通させる方向にいくのかは分かりませんが・・・試みとしては面白いかも。

    ちなみに「サラ金」は昔から「サラ金」です。

    >マンガーさん
    おお、いってみますか~
    しかしこれ、通勤漫画としてどう読むんですかね?

    >少佐殿
    とりあえず、白黒のコマ送り漫画のようです。コマなのでページという感じではなくなるのでは?

  6. 一回、さいとうたかお大先生が失敗してるんですよね。
    私は、マンガにおいては紙メディアは永遠だと思ってます。
    いろんな意味で、ネット配信されるサラリーマン金太郎に本宮ひろし本人が”がっつり絡む”わけはないはずだと思ってます。

  7. これって原稿に描いたものをネット上で公表するってことですか?
    それとも最初からPCで描くんですか?
    本宮氏がPCで描く技術を持ち合わせてそうにないから前者ですかねぇ。

    すでに存在してるみたいですけど、いわゆる持ち運びできるホンみたいなPDF(?)があるんですよね?
    電子書籍でしたっけ?
    なのでいずれは週刊ジャンプとかが発売日にデータとして配信されるような時代になる気がするんですけど、まだ紙以外の媒体でマンガを読むってのは想像しづらいですね。

    音とかもいらないなぁ。

  8. >すすきのさん
    デジタル漫画の流れは止まらないので、いずれ誰かが成功すると思っています。
    レコードがCDに駆逐されたように、紙メディアが衰退するとは思っていませんが、レンタルビデオと販売DVDのような住み分けが落ち着きどころかと思っています。

    >あるてぃさん
    正直、どんな「サラ金」が配信されるかは見てみないとわからないです。たぶん配信しながら、まずいところは修正していくのでしょう。

    シグマブックのことでようか?あれは漫画とかの表示はできるのかな~?

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