奔流 田中芳樹(著)

honryu 奔流/田中芳樹(著)

 鐘離(しょうり)の城が陥ちれば梁(りょう)国は危うい・・・六世紀初頭、南北朝時代の中国。北朝・魏は、建国して間もない南朝・梁への侵攻の機会を窺っていた。そして、506年、梁征服を目論む中山王・元英率いる魏軍八十万が、国境を流れる淮河(わいが)の畔・鐘離に押し寄せた。迎え撃つは梁帝の信任厚き二十三歳の将軍・陳慶之(ちんけいし)「女心は解らぬくせに、天意を知る」軍事的天才である。北の騎兵と南の水軍、両軍合わせて百万の大軍が「赤壁の戦い」(208年)の時のように激突する、悲恋もからめた歴史小説。

 田中芳樹(著)といえば、銀河英雄伝説・アルスラーン戦記・マヴァール年代記と読んでますが、その後の中国モノは手つかずでした。ひとつは、ほとんど話題に上らないのと、「三国志」(吉川英治)ような面白い話はもうないという思い込みからです。でも、これは間違いでした。いくつかのブログで紹介されているのを(批判も含めて)みて、とりあえず1冊で完結している「奔流」を選びました。いや~ワクワクしました、もともと田中芳樹の文体が好みなのもありますが、久しぶりに読書に夢中という感覚を味わえました。

 キャラとしては陳慶之、楊大眼、曹景宗が好みです。陳慶之はいわゆるヤンウェンリー型で、しかもこちらは史実として死ぬまで不敗だったそうです。楊大眼は南北朝最大の猛将、もしかすると呂布より強い気がします。曹景宗は歴戦の勇将、梁軍の総帥。その言動は傍若無人を極める・・・なんか北の魔人にそっくりかも、特に女性関係が。

 次としては「岳飛伝」(全5巻)が評価が高いようですが、長いですね~暇をみつけてゆっくり読みましょうか。

らいとすたっふHP(→作家著作紹介→田中芳樹→既刊リスト)で田中芳樹(著)の全作品リストが見れます。


「奔流 田中芳樹(著)」への2件のフィードバック

  1. ほほう。面白そうですね。2006年はマンガ誌のない日は小説を読もうかと思ってるので候補にいれさせていただきます。
    では、来年もよろしくです!

  2. >マンガーさん
    こちらこそ、今年もよろしくです。

    マンガーさんなら楊大眼はラオウに似ていると思うかもしれません。

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